JBL バックロードホーンシステム

ユニット
1.
  ウーファー  :LE15A 8オーム?(実測12オーム)
2.
  ミッドレンジ :LE85  8オーム?(実測12オーム)
        +HL91音響レンズ
3.
  ツイーター :075 8オーム



ウーファーの箱は山水の707J型のバックロードホーンエンクロージャーです。
(重い!)
ミッドレンジ+ツイーターはお客様自作のエンクロージャーになっておりました。

お客様自作のネットワークですと音がまとまらないとの事で
ネットワークの制作を依頼されました。




ず各ユニットのインピーダンス特性と、周波数測定及び能率を計測しました。


1.インピーダンス

イ)
ウーファーLE15Aはメーカー公示インピーダンスは8オームとありますが、
実測では12オームで、インピーダンス補正をして100Hz以上はインピーダンスを一定にしました。

ロ)
ミッドのLE85+HL91音響レンズですが、
LE85もメーカー公示インピーダンスは8オームですが、実測は12オームです。
そして300Hz付近と600Hz付近に大きなインピーダンスの山があります。

ハ)
075ツイーターはメーカー公示インピーダンス通り8オームでしたが、
ロットにより6オーム位の時もありますので注意が必要です。



2.周波数特性

イ)
ウーファーLE15A+バックロードエンクロージャーでの周波数特性は、
低域が約60Hzから2KHzまでフラットです。

ロ)
ミッドレンジLE85+HL91音響レンズですが、
約800Hzから20KHzまで使用出来ます。

ハ)
ツイーター075ですが、
4KHzから15KHz位までですね。
思ったより高域は出ませんが、元々2ウェイ用のツイーターですので
高域特性は欲張ってはいません。



3.ネットワーク
イ)
クロスオーバー周波数はLE85の低域特性を考慮して1KHzとします。
800HzにしますとLE85のホーンロードの掛かっていない低域振動のいやな音がします。

ロ)
LE85+HL91の300Hz付近と600Hz付近のインピーダンスの大きな山を補正しました。
これは以前「375」ドライバーで行って大変音質が向上したので行いました。

ハ)
クロスオーバー周波数は075の低域特性より7KHzとしました。

ニ)
LE85+HL91と075の音量調整はお客様が御使用のラックスのAS−6アッテネーターを使用しました。
始めはタップ出しコイルを注文して制作しようと思いましたが入手が不可能になりましたので変更しました。

ホ)
アッテネーターを8オーム仕様として使用したのでそれに合わせてネットワークを設計しました。


4.音質

ネットワークを制作して各ユニットに接続して音出しをしてみました。

驚く事に古い暴れ者のユニットながら全くスピーカーを意識させない音が出てきました。
当方が録音したチェンバロ・ジャズ・ブラスバンド等の音源を鳴らしても
全く破錠の無い音がします。

ウーファーを1KHzまで出したので少し中域が重いかなと思いましたが、
殆ど中域の重さは感じません。


能率が高いのでドラムを生に近い音量に上げて聴いても無理が無いです。