平衡入力専用
自作 A/Dコンバーター
2018/07/19追記
PCM1804という192KHz24bitステレオのADCチップと
DIT4192というトランスミッターを使用しています。
◎PCM1804は64Fs(2.8MHz)のDSD出力も可能です。
元々1bitのデータをダウンビートしてPCMデータにしています。
S/Nは差動入力時に112dbです。
◎最新のPCM4202やPCM4222は
128Fs(5.6MHz)が可能です。
S/Nは
PCM4202が118db,
PCM4222が124dbです。
ほぼアナログアンプの限界値ですね。
◎但し、
現場の音を知らない方々は、
カタログデータしか判断材料がありませんが、
音質はS/Nやフォーマット周波数だけでは決定せず、
電源回路やアナログ回路のスピードとレギュレーション、セパレーション、
回路部品やレイアウトも関係します。
今回は48KHz24bit仕様のPCMスタンダード24bitのフォーマットで、
光出力を2回路にしています。
コアキシャルを使用しないのは
パルストランスを使用してアースラインを浮かしても
コモンモードノイズが出てしまうので
あえて光出力のみにしています。
光出力なので色々な機器を接続しても
コモンモードノイズのループが出来ません。
入力はミキサーからのバランス出力を前提に設計し、
+22dbm(9V)にフルビットになるようにしています。
それとADCの前に電圧リミッターを入れて
ADCチップが入力オーバーで壊れないようにしています。
後ろの基板は
アナログ回路用の2段カスケード定電圧電源と
ADC用のアナログ用定電圧電源です。
電源はミキサー経由でもらっています。
マスタークロックは三田電波製の24.5760MHzの温度補償型水晶発振器(TCXO)で、
温度偏差が1ppmのものです。
このクロックは他のICとは別回路の定電圧電源から電源を供給しています。
◎最新の市販品も温度偏差が1ppmの水晶を使用していますが、
残念ながら発振部の電源回路が他の部分と共用しているので
電圧変動による低周波ジッターが発生しています。
このクロックでDIT4192トランスミッターから出た信号を
74AC74でリクロックしてから光出力にしていますので、
よりジッターを少なくしています。
これからの録音でどういう音になるか楽しみです。
初めは現在の機器に合せて48KHz24bitでやりますが、
機器の整備をしてから設定を変更して96KHz24bitにしてみる予定です。
2012年1月8日の
国立市一橋大学内の兼松講堂での
マーラーの交響曲第9番をこれで録音してみました。
レコーダーはVSR−880改造です。
音が静かで安定していました。
パルシブな音も安定していて
編集時のFFTを見ると
VSR−880のA/Dコンバーターより15KHz以上の音がより入っていました。
これはフィルターの特性によるものでしょう。
但し、編集時に10dbも音量を上げてみましたが、
躍動感が少なかったので、
ゲインを10db上げて+10dbクリップに変更しました。
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2012年3月10日にこのADCにて吹奏楽を録音しました。
今までのVSR−880と比較して未だ5db程ゲインが低かったので、
また5db程ゲインを上げてみました。
3月18日にまた吹奏楽を録音するので
VSR−880のADCと音量を比較します。
1月8日のマーラーの9番と同様にどうも音の表現がおかしかったので
試しに
自作ADCの音源を記録したVSR−880の音源の位相を反転した処、
やっと正常な表現になりました。
どうもPCM1804のデータシートの
アナログ部の位相の記述が逆になっていたようです。
元々が反転(Invert)入力ですね!注意しないと。
普通なら正位相入力で表記するでしょう。
結構いい加減な記述があるので注意を要します。
(普通の機器では判別が出来ないのでいい加減かも知れません)
この自作ADCとVSR−880改造のADCとの比較ですが、
明らかに自作ADCのが音が安定していてかつ音の消え方が速いです。
そのため音の混濁が全く無く、細かいフレーズまではっきり聞こえて
楽器の位置や演奏状況が手に取るように判ります。
音色は生と比較しながらアナログフィルターの定数を変えていきます。
現在のローカットの定数は
1Hz−3dbです。
市販のADCは低域は20Hzまでしか保証をしていません。
このためスカスカの低音しか記録が出来ないです。
なぜなら20Hz以下まで低域を延ばすと
ノイズが増加しますし、
電源回路が弱いと不安定な音になります。
あえて超低域まで記録出来るようにしたのは
超低域まで記録出来ると
空間での音の位置が判別しますし、
過度現象により音の出だしが判別し易くなります。
これからはこのADCをメインにして記録します。
3月18日に吹奏楽を録音しました。
1台のVSR−880改造はいつもの通りにこのA/Dコンバーターを使用して記録し、
2台のVSR−880はこのA/Dコンバーターからのデジタルデータを記録しました。
今回は自作A/Dコンバーターのレベルが高く、
ミキサーの出力ボリュームを絞って録音しました。
どうやら前回の10日の時はホールへのモニターを送る時に
ヤマハのMX12/6ミキサーに信号を入れる時に損失が発生して
レベルが低下したようです。
結局+10dbクリップに戻しました。
これからはホール側にモニターを送る場合は
VSR−880の出力を送るようにします。
5月3−4日に
日本打楽器協会主催の打楽器新人演奏会を録音しました。
大掛かりな新人コンテストで、色々な打楽器やマリンバが総出でした。
VSR−880のA/Dコンバーターと比較して
音の立ち下がりが圧倒的に速いので、
速打ちの連打も綺麗に再生しました。
2013年3月に
アナログ回路の抵抗を
RP24C 1/2Wから
Daleの無誘導3Wに交換しました。
これにより大音量の音に余裕が出来、
音の伸びが良くなりました。
2014/09/24
久しぶりに自作A/Dコンバーターの改造を行いました。
改造した箇所は、
1.今まで左右共通であったアナログ回路の2段カスケード電源回路を、左右別にしました。
そのため電源部が倍になりました。
2. これにより左右の音の分離がより良くなり、遠近感もより自然になりました。
3. 光出力が2系統であったのを、4系統とし、
2系統ずつの光出力回路の電源を別にしてA/Dコンバーター本体とは別にしました。
出力端子が倍になったので、2系統のみの録音機器が3−4系統になり、実験の幅が広がりました。
また、光出力端子を2つの新しい異なる銘柄の物に交換したので、
素子による音の差も確認が出来ます。
使用したシャーシは以前使っていたものを流用したので、余分な穴が空いています。
尚、平衡フォンケーブルは50オーム50GHzのセミリジッドケーブルです。
方向も吟味しています。
このケーブルが今のところ1番癖が無く自然な音の出方と遠近感が出ますね。
但し、大変高価で扱い難いケーブルです。
ハイレゾと言われる機器(笑)でも
これ位しっかりした電源の機器は少ないでしょう。
2018/07/19
やっとPCM4222を使用したA/Dコンバーターを製作しました。
今までの物は48KHz24bitのみでしたが、
192KHz24bit対応のA/Dコンバーターを製作して欲しいという方の要望があり、
48KHz24bit、
96KHz24bit、
192KHz24bit
に対応しました。
この機器は当方のミキサーから平衡入力のみを接続する仕様で、
+16dbm(5Vrms)にて
0dbフルビットの仕様です。
入力インピーダンスは5キロオーム。
出力は
4個の光出力と
110オームのXLR出力
となります。
電源は別電源で、ミキサーから供給します。
アナログ回路用に
プラスマイナス20Vと
デジタル回路用に
プラス11Vです。
これが上手くいけば
マイク入力、
ラインレベル入力、
入力ボリューム、
レベルメーター
を取り付けた
新しい一般仕様のA/Dコンバーターの製作に掛かります。
デジタル部に
内部抵抗のが低く高周波特性の良い
OSコンを使ったらどうかとの連絡がありましたが、
残念ながら静電容量が小さいのと、
故障した時にショート状態になるので
電源部のトランジスタに負担が掛かります。
当方では
大容量の電解コンデンサーに
小容量のセラミックコンデンサー
をパラレルにして使用しています。
どちらかと言うと
デジタル部より
アナログ部や電源部の
高域特性のが広いです。