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巨大真空管 E3030B シングルアンプ
今回、全国大会に持ち込みました第一番目のAMPは、パイナップルのような形をした巨大な真空管、
東芝製、トリタン、直熱、4極管、E3030Bを使用したシングルAMPであります。
この球は医療用のX線電源安定用レギュレーター管であり、本来オーディオ用ではありません。
規格はオイル冷却で使用することになっていますが、無理やり自然空冷で使用。
そのため通電時は大変発熱するので、冬季は暖房器具の代わりとして使用している。
球の規格
用 途 ・・・高電圧スイッチ&レギュレーター
フィラメント電圧 ・・・7.5V x 24A (1球/180W X 2本=360W)
プレート電圧 ・・・100 KV
プレート損失 ・・・1.5 KW
重 量 ・・・5kg/本
球の足は F-2本、G1-1本、G2-2本、計5本となっており、Pは下部の銅フィン部分。
AMPの構成
・電圧増幅 6SF5 → ドライバー 6CA7(3結) → 電力増幅 E3030B
・E3030Bのソケットは持ち合せが無く・・・大型プレートキャップを改造して使用。
・ジャバラスタンドは・・・水道用フレキ管を活用、金属製にしシールド効果を得ている。
・プレート部分は剥き出しのため、安全カバーを取り付。
このカバーは家庭用食器売り場で見つけたデコレーション、ケーキの型を活用。
・E3030B管は大変発熱するのでガイシ4個で挟んで取り付。
・アンプシャーシーは市販品の大型シャーシーを塗装して使用、電源はマルチ別電源を使用。
・出力は約16W。
動作について
ドライバーは6CA7カソードフォロワー、 E3030BはG2ドライブ+90V、 プレート電圧は600V
プレート電流は100mA。
当初はプレートに1200V掛けるつもりでしたが、むき出し面が多いことと、製作中にリークをさけた
こともあり、次第に恐ろしくなってきて、現在は半分の600Vにステップダウンで常用。
1200V用電源トランスを搭載していますが現在は配線カット。
フィラメント点灯は交流ではハムが出るので直流化。
ハム撲滅に大苦戦、平滑コンデンサーの追加を繰り返して、片側の球だけで16万マイクロになって
しまう、これだけのC容量にしたのは初めて。
このアンプを製作する事になったきっかけ
大阪で単身赴任している時に、日本橋のジャンク屋で見つける。
@ 初めて見た時は変わった外形のする球だなー・・・ガラス厚さは牛乳ビン並みある。
A とにかく風貌、重量共にゴツイ、音が出るだろうか・・・
B ひょっとして、まれに見る素晴らしい音がするのではないだろうか・・・
C この球でAMPを作って見たいな−・・・
D よし・・・作ってみよう。 今すぐ作らなければならない・・・と
冒頭に申し上げましたように、本来オーディオ用の球ではありません。
ざっと、このような流れになって、気持ちがムラムラと高ぶり、歌のセリフではないけれど、どうにも止ま
らなくなって、製作にのめりこんで行った次第であります。
正統派アンプ製作の諸先輩からは完全に離脱して、昨今は脳がマヒ状態であります。
しかし、私はそこに珍しい真空管がある限り、また趣味である限り、これは許されるものと信じ、今後も
真空管アンプ製作に挑戦して行きたいと考えています。
100TH/808シングルアンプ
第二番目のAMPは、古典送信管100TH/808シングルAMPです。
100THについて諸先輩の評判は音がイマイチと言われる球ですが、何とかしてまともな音にならない
か検討した結果イントラ反転の回路に落ち着きました。
低音がシビレルほど伸びて、マズマズの成果が得ている。
また、フィラメント電圧を5V〜7.5vSWで切り替えられるようにし、同じ古典送信管808が差込み可能
に設計。
私は808の方が外形に似合わずズッシリしたバランスの良い音が出て、真空管アンプの中で最も好きな
球であります。
AMPの構成
電圧増幅 6SN7 (SRPP) → ドライバー 5933(3結) →イントラ反転 → 電力増幅 100TH
→ 電力増幅 808
ワンタッチ切り替えアンプ(809/811A)
第三番目のAMPは、古典送信管をワンタッチで切り替え可能809/811AシングルAMPです。
これは電源と電圧増幅管→インターステージTRまでの回路を共通化し電力増幅管のみをロータリー
SWで1個で全て切り替える方式で、同じシャーシー上で2つの球を楽しむ、合理化アンプであります。
AMPの構成
電圧増幅 6SN7 (SRPP) → ドライバー 6V6(3結) →イントラ反転→ 電力増幅 809
→ 電力増幅 811A