山水 AU111


大変古い山水の真空管式プリメインアンプです。(当時確か65000円位しました)



約30年以上前の製品ですが、
6L6GCのビーム管接続プッシュプルでカソードNF巻線のある出力トランスを用いてch当たり40−45Wの出力を誇っていました。
当時この出力トランスと電源トランスは市販され、当方もトランスを購入して同じく6L6GCを使用してアンプを自作しました。

音質は当時の山水らしい余り帯域は欲張ってはいませんがエネルギーのある抜けの良い音です。

プリアンプ部はフォノイコライザーは初段はトランジスターを用いて12AX7を1本使用しており、
フィルターアンプ+トーンコントロールに12AX7を4本用いた贅沢な設計です。
当時のプリメインアンプとしてはとても贅沢な設計で、専用プリアンプに匹敵する構成です。

測定した周波数特性等はフォノイコライザーは計測しませんでしたが、
フィルターアンプ+トーンコントロールアンプのゲインは18dbで、
低域は7Hz−3db,高域はボリュームMaxにて30KHz−3dbと高域特性が早めに落ちています。

パワーアンプ部は1/2 6AQ8と12BH7のムラード型差動位相反転ドライブにて6L6GCをドライブしており、
6L6GCは5K?P−PでカソードNF巻線付きの出力トランス(SW−50−5)とで40−45W出しています。
プレート電圧は485V,スクリーン電圧は440V,カソード電流は40mAとしております。
プレート損失は30Wで、ヒーターは6.3V 0.9Aです。
実測でゲインは17db、出力8?1W時にて83KHzにて+10db、3.7Hzにて+3dbのピークがありました。
回路はオリジナルのままでしたが調整して各ピークを修整しました。
ノイズは各0.6mV程度で安定しています。

プリメイン総合で何とか1.5−2mV以内のノイズに収めました。





調整後の音質は重量が30kg位あるアンプらしくパワフルでありながらキメ細かい音もでます。
パワー部に関してはダイナコMKVよりパワフルで音のつぶ立ちが良いです。
決して帯域が広いという感じはありませんが、LUXやタムラのトランスより好きです。
勿論6L6GCは6550やKT88,50CA10より抜けの良い音がしますので球の影響もあります。

シャーシもしっかりしており、部品もLUXより良い部品を使用していますし、レイアウトが良いです。
オリジナルは入力RCA端子とスピーカーターミナルが悪かったので改造交換しました。