サンケン CMS−2 MSマイク
サンケンの天吊り用MSマイク CMS−2です。
単一指向性マイクMと双指向性マイクSが
同軸に設置されていて
右側のマトリックスBOX「MB−2A」にて
M+S,M−Sに合成された信号が出力され、
この信号をミキサーのマイクアンプに入れます。
又、合成するS側の出力を調整する事により
指向性が0−127度まで可変が出来ます。
メーカーの資料です。
この「CMS−2」はファンタム電源が必要ですが、
マトリックスBOX 「MB−2A」はファンタム電源がありません。
そのため「CMS−2」と「MB−2A」の間にファンタム電源が必要です。
そこで
ファンタム電源のDC+48Vをミキサーから「MB−2A」に供給し、
ファンタム電源供給回路を自作して内蔵しました。
このマトリックストランスはおそらくタムラ製ですが、マイクトランスとしては大変コアが大きいです。
そして入力を出力600オームの発振器及び出力を600オームにターミネイトして
発振器から矩形波を入れてオシロで波形を観測しました。
さすがに高価なマトリックス機器だけあって
100KHzの矩形波でも殆どオーバーシュートが出ません!!
相当高価なトランスでしょう。
指向性可変用のS信号可変用ATTも東京光音の高価な600オーム精密アッテネーターです。
内部のスポンジは吸音と防振用に取り付けました。
ローレベルの信号を扱うトランスには振動は禁物です。
背面にはファンタム電源供給用のコネクタが付けられなかったので、
正面の左側に取り付けました。
ミキサーからファンタム電源用+48Vを供給しています。
さっそくミキサーに接続してヘッドフォンにて音を聞いてみました。
大変癖の無い音でノイズも大変少ないです。
大きい音にも対応するためにこの口径のマイクにしては感度が低いです。
MSマイク故に大変位相特性が良く、距離感も出て歪み感が大変低いです。
背面の音を殆ど拾わないので静かな音ですが、
部屋のボリュームまでは再現しません。
この点は低域の指向性が甘い古いソニーのマイクのが部屋のボリュームが分ります。
実際に録音で使用してみると
ほぼゲインはソニーのC38BやC47と同じです。
ノイズはカプセル径が小さいので
C38BやC47より大きいですね。