D/Aコンバーターの製作

DAC1

2003/11/08



やっと自家用のD/Aコンバーターを製作しました。

今までDAT SonyDTC1500ESのA/D・D/Aコンバーターを改造して使用していましたが、
D/Aコンバーターが18ビットPCM1700パラ接続なので限界を感じていました。





シャーシはプリアンプ用のを流用しました。
厚さ2mm以上の総アルミシャーシで、殆どの基板はベタアースにしています。
そのため外部にノイズは漏れません。


御覧の通り電源トランスは手持ちのジャンクで、アナログ用に400VAを1個,デジタル用に2個使用しています。
アナログ用の電源コンデンサーも手持ちのジャンク50V33000?F×2個を使用しています。
定電圧電源は5段+?です。
デジタルはまず15000?F×2個を使用し、定電圧は3段です。
おかげで電源部がシャーシの約70%を占拠し、
重量は15Kg以上あります。







DACは24ビット192K対応の8倍オーバーサンプリングデジタルフィルター内臓のPCM1738です。
データシートによるとダイナミックレンジが117db,
THD+N:0.0004%(標準)です。
1チップですので配線によるジッタが少なくなります。

入力はコアキシャルが2系統、オプティカルが2系統です。

デコーダーはCS8414で96KHz対応です。


デジタル入力信号はインバーターでTTLレベルにして波形整形し、
4入力の切り替えに入ってからフリップフロップにて100MHzのクロックにて打ち直します。

そしてデコーダーCS8414でデコードされたSDATA,SCK,FSYNC信号を
抽出されたマスタークロックでフリップフロップにて打ち直してからPCM1738に入力します。

I/V変換の後ろは平衡回路なのでトリマーVRを使用して電圧調整しダイレクトアウトにしています。
そのため超低域の雰囲気が良く出ます。
出力電圧はフルビット時2.2V(Sin波)です。

DAC基板は1枚にしているので簡単に改造やバージョンアップが出来るようにしています。

サンプルレート変換ICも購入していますがそこまでやる必要があるのか疑問です。
元々デジタルフィルターにて8倍オーバーサンプリングをしています。

勿論サンプルレート変換による高域の位相特性の改善が見込めれば考えますが、
そこまでやっているCDプレーヤーの音よりもこのD/Aコンバーターのクオリティが遥かに高いので
そこまでの必要性を今の処感じません。

デンオンのテストCDにてー90dbのサイン波が再生観測出来ました。

市販のD/Aコンバーターではー60dbのサイン波は再生可能ですが、
一体型CDプレーヤーですと機種によりー60dbのサイン波がノイズに埋もれてしまうのもあります。
またD社の高額SACDプレーヤーはー60dbのサイン波は再生出来ますが、
出力端子からのノイズスペクトラムが数100MHzまで観測されます。


音質は軽やかで全くうるさく無く、音の立ち上がり立ち下がりスピードも速いので
微妙な音程の変化も良くわかります。
特にオーケストラの音が完全に分離して聞こえながらも
前後左右奥行きの位置が判断できますしハーモニーが出ます。
電源が大変しっかりしているので音が安定しながらレンジが大変広い音です。
そのため始めはつまらない音に感じました。

始め音が良いのか悪いのか判らず、2週間位今まで聴いたCDや自身で録音したDATを聞きまくりました。
余りに簡単に音が出てつまらない感じに聴こえました。
時々聴きに来る友人が顔色を変えて聴いていてもどうしてなのかなと思った程です。


2009年5月1日

製作をして数年を経過しました。


アナログ回路の定電圧電源もより超高速回路に変更し、

その間に82,000?Fの電解コンデンサーを入れたり、
外部に120,000?Fの電解コンデンサーを付加しました。
そのため音がより安定してウルサイ音もウルサク無くなり
今まで埋もれて聞こえなかった音も聞こえてきます。

特に吹奏楽の生録音源を聴いていて
各楽器の音の出し方や音色・ハーモニー、
ホールの響きを忠実に再現してくれています。


最近の機器はこのようなワンチップDACを複数使用した高級機器がありますが、
当方の経験ではあえて複数使用する意味を見出せません。

ローテルのRCV995とこの自作DACとのコンビと
複数の国産の超高級SACDプレーヤーと比較しましたが、
明らかに当方のコンビのが表現が上です。
比較になりません。

是非海外製の高級CDPやDACと比較してみたいです。