ある方より、古いLo−DのDACの修理の依頼がありました。
昔、当方の友人が持っていた機器で、
今では別の友人がプレーヤーメカニズムと一緒に持っています。
1.
まず、Kenwood製のS/PDIF信号発生器からコアキシャル信号を入れてチェックです。
フルビット1KHzで出力電圧が2.5Vですね。
次にミュート信号時のアナログアンプのノイズ状況を見てみました。
Lch側のノイズレベルが0.9mV位、Rch側は0.5mV位で、
Rch側から時々パルス的フリッカーノイズが出ます。
2.
DACチップはバーブラウンのPCM53で、アナログアンプを内蔵しています。
その後に、NECの?PC1041というオペアンプが2個、
三菱のM5219が1個、
左右に使われています。
3.
まずNECの?PC1041は、FET入力なので、
手持ちのLF356と交換しましたが、
りノイズの少ないLF356と交換が出来るように「ソケット]として、
測定器でノイズの量を見ながら交換しました。
三菱のM5219は、これも手持ちのNJM2114と交換しました。
4.
これでノイズはLchが0.5mV、Rchが0.3mV位まで減りましたが、
これ以上は下がりません。
なぜならDACチップの「PCM53の内部のアナログアンプの性能」
のノイズ以下にはならないからです。
5.
これでもRchのパルス性フリッカーノイズが消えないので、
オペアンプ付近に使われている理研電具製のRMG1/2Wの抵抗を、
タクマン製の3Wの金属皮膜抵抗に交換した処、
パルス性フリッカーノイズが消えました。
6.
次に、Kenwood製のS/PDIF信号発生器から色々な周波数の信号を出して
オシロで波形を観測した処、
衝撃的な事が分りました。
フルビット0dbから「−12db」の信号を入れた波形です。
古い40年程前のDACなので、波形が連続していません。
そこで、−30dbとー60db時の波形も表示します
「−30db」ではカクカクの山形波形、
「−60db」では矩形波になっています。