HS−400の詳細資料

複雑なネットワークです。

ウーファーはピークキャンセラーと周波数特性補正を入れています。
その上でクロスオーバー付近で−3dbになるようにしておいて1次のローパスフィルターを入れています。
そのためクロスオーバー付近では2次のフィルターとなります。

ツイーターはFoキャンセラーとピークキャンセラー・周波数特性補正が入っています。
Qが0.34と低いのでクロスオーバー付近では−3dbとなりそれに1次のハイパスフィルターがはいります。
ウーファー同様クロスオーバー付近では2次のフィルターとなります。

つまり周波数特性としてはクロスオーバーは総合的に2次のー6dbクロスとなり、
電気的には1次のフィルターですのでクロスオーバー付近でもインピーダンス特性は8Ω一定となります。

この考え方はHS5000・HS10000も同様です。



















ラジオ技術誌1976年3月号より








以上の立ち上がり立ち下がり特性を見ますと立ち上がり立ち下がり共大変速いです。
特に立下り特性はQが0.5以下のユニットですので当然立下りが速く収束しています。
そのため複雑な音信号が入っても前に入った信号が素早く収束するので混変調が少なく
細かい音も良く再生出来ます。

Qが低いだけでなく振動板やダンパー・エッジも入力信号以外の振動は良くダンプされているので
余分な音が出ません。
これはギャザードダンパー・エッジがある一定方向のみ柔らかくそれ以外は剛体であるためです。