Kenwood ISF555
ケンウッドの廉価版スピーカーです。
廉価版とは言ってもフロントバッフルはアルミダイキャスト!製です。
ウーファーフレームもアルミダイキャスト製ですので
基本設計はまともです。
ネットワークもウーファー用のコイルは鉄芯入りを使用し、
ツイーター用コイルは空芯式です。
エンクロージャーの側面を良く見ますと
スピーカユニットのボイスコイル位置を揃えるためにスラントしています。
この形状ですとエンクロージャー内部の定在波を減らす事も配慮されております。
ノーマルでの音質はエンクロージャーの設計が贅沢であるので
おかしな共振のないスッキリした音がします。
但し、ソロ楽器の音は綺麗に出ますが、空間音が出にくいです。
チューンしますと協奏曲での独奏楽器と伴奏楽器との掛け合いも
ハッキリわかるようになりました。
この価格帯の製品ですとどうしてもソロ楽器の音を綺麗に出す事を主体に設計され、
空間音の表現を出し難いようです。
ウーファーの設計は良いのですがツイーターが嫌な音を出し難いソフトドームであるので
色々な樂音が出てくると限界がありますが、何とかギリギリまで表現出来るようにはしました。
ツイーターがハードドームの良い製品でしたらB&WのCDM1NTクラスでしょう。
最近は日本製スピーカーが話題にはなりませんが、
このような基本設計の良いスピーカーはもっと評価すべきでしょう。
チューンを依頼されたオルガン・チェンバロ・古楽器を演奏される方の感想です。
昨日無事スピーカー届きました。
試聴したところ、最初はなれなかったのですが、
ご指摘のとおり
今まで聞こえなかった楽器の音が聞こえ、音色が生の楽器に近く、
かなり定位するようになりました。
驚いたのはパイプオルガンで、
1つの鍵を押して数種類のパイプから音が出るわけですが、
ものによってはその1本1本のパイプの音が分離、音色の個性が
わかるようになりました。
これは利点か欠点か?
またcemb、vnも含めてタッチ、アクションの音が明確に
(ものによってはアクションの位置まで)聞こえるようになりました。
おかげでトンのチェンバロの汚い音が目立つようになりました。。
cembとorgに関しては
倍音が多いせいか、楽器によっては
汚く聞こえるようになりました。これがツィータ歪みでしょうか。
それともアンプのせい?
次に民族音楽・中世系ですが、
こちらは楽器の個性が見えるというのか
独特のあやしさ?がはっきり出るようになりました。
しかも細部がはっきり聞こえるのでどんな風に弾いているのか
わかるようになりました。
全体としては
スピーカー自身は型落ちで買ったもので、
チューニングする価値があるのか心配でしたが
これほど変わるのか、こんなに音がはっきりするものかとびっくりです。
(しかも今は単品アンプの調子悪いため、今はシャープの安物コンポのアンプで試聴。)
これなら普通の店で超高級システム買うより、
よっぽど生の演奏会に近い雰囲気が出てる
(楽器の音がする、音の出所がはっきりする)とおもいました。
おかげでうちにあるCDすべて聞きなおさなくてはなりません。