Mclintosh マッキントッシュ MC C8モノラルプリアンプ 2台









マッキントッシュの古いモノラルプリアンプです。






オリジナルは当時のモノラルパワーアンプ(MC30,MC40,MC60等)
や専用電源から電力を供給します。

このアンプではタムラ製の150VAもある特製専用電源から直流電源を供給しています。

整流管5Y3にて整流し、
フィルムコンデンサーと20Hのチョークにて平滑しています。

ヒーター電源も整流してDC化しています。





背面の画像です。

本体のACコードは使用しておりません。

8Pのコネクターより各々電源を供給しています。






画像の右上

本来は電源スイッチ付きボリュームと入れ替えた
セイデン製の23接点スイッチを使用して製作したL型アッテネーターです。

モノラルプリアンプですので本来のボリュームで音量を変えた場合、
2台の音量を揃える事は大変難しく扱い難いです。

L型アッテネーターの場合はノッチの位置を揃えると音量が容易く揃える事が出来ますし、
音量を変えても音質の変化が小さいです。

250Kオームのアッテネーターなので誤差1%の抵抗を使用して製作したので
抵抗値を揃えるために複数の抵抗を使用している処があります。

そのため大変高価です。



画像の右下はトランジスターを使用した定電圧電源を製作しました。
これによりノイズが大変小さくなり
ラインアンプのボリュームを絞った場合
ノイズが0.03mVと大変小さいです。
そのため能率の高いスピーカーやアンプと接続してもノイズは全く聞こえません。






真空管はシルバニアの12AX7を3本毎に使用しています。





最近メンテナンスをした処、
多くのコンデンサーの絶縁が劣化していたので
630V耐圧のレーダーシュタイン他に交換しました。
絶縁計にて計測した処、
絶縁が低下したコンデンサーの絶縁抵抗は僅か数メガオームでしたので、
回路の電位が無視出来なくなる程に狂っていました。

交換により回路が正常に動作したので
歪みが1ケタ低下してスッキリした音になりました。
NFBのかかっていないラインアンプ部でほぼ0.1%位、
フォノイコライザー部で0.04%位です


フォノイコライザーですが、
一般に使用されるRIAAカーブの設定を測定しました。
偏差は50Hzで少しプラス0.5db位になる以外は測定器の誤差以内です。


整備していないマランツ#7を

測定器にて測定してみると
部品の劣化とECC83の劣化や安易な球の交換
正常なRIAAカーブになっていないのが殆どです。
例としては
100Hz以下が低下したり歪みやノイズが増えています。

そのため音に力が無くガサついたうるさい音になります。

「古いオリジナルの部品のままだから本来の音がする」
という方もいらっしゃいますが
それが本来の音でしょうか?(笑)

このC8のフォノイコライザーは、元々モノラルカートリッジ用に製作されています。
ステレオMCカートリッジからMCトランスを使用される場合、
MCトランスのアースが共通ですとアースループが発生してハムが出る可能性があります。
その場合、
左右のMCカートリッジ・MCトランスのアースを左右別にすると解決する場合があります。


マランツ7やC22のような左右のクロストークの多いプリアンプと比較してみると
音質は大型外部電源のモノラルプリアンプなので
力がありながら音のセパレーションが良く、
奥行きのある左右の定位の良いトランジェントの良い音がします。

クロストークが少ないのでマランツ7やC22では聞こえない隠れた音が聞こえます。


古い機器で高電圧を扱う真空管アンプですから
ボリュームを上げた状態!でのスイッチの切り替え時には少々ノイズが出る場合があります。
特にイコライザー回路は回路上出易いです。
(本来真空管アンプでは構造上やってはいけない事です)

大変古いプリアンプですので
オリジナルのままではまず
絶縁不良や部品の劣化他でまずまともな使用が出来ません。
このプリアンプの機能の良さを維持しながら改良改造をしております。

実用品でなければ(骨董品やオブジェでは)意味がありません。