自作パワーアンプのオーバーホール

2023/08/28





現在手元にある同じ型の自作モノラルパワーアンプ4台のうち
2台のオーバーホールをしています。
1998年の1月に完成したアンプです。

この2台は長い間某所で使われていて毎日8時間位電源が入っていたのと、
狭い空間に置かれていたので
電解コンデンサーや熱の出るトランジスターがついた基板が劣化していました。

これからは貸し出しもせず手元に置くのでオーバーホールを始めました。


100V22000μFの電解コンデンサー4本は劣化していたので取り外し、
R*T*L社から譲っていただいた100V15000μFを14本取り付けました。

大きいRコアトランスの容量は約1KVAです。





シャーシは特注のアルミシャーシです。
熱で黒ずんでいます。




ヒートシンク上の基板はパワー部の旧2段カスケード定電圧電源基板です。




東芝製の耐圧200V Pc=150W Ic=15Aのトランジスタ
[2SC3281 Oランク]と[2SA1302 Oランク]
が5個パラレルになっています。
Hfeは選別してすべて5%以内の範囲に揃えています。


ヒートシンクは1枚が
W=170,H=200,D=80という特注品です。
トランジスタを取り付ける面の厚さが8mmあるので、
下手にドリルで穴を開けるとドリルの芯が折れてしまいます。





作り替えた新しい2段カスケード定電圧電源基板です。
ドライブトランジスターはサンケン製の
Pc=200W Ic=17Aです。


DC±100VからDC±75Vにしています。






下の画像の中央の上部は
ドライブ段用の電源コンデンサーです。
AC100Vを整流するので200V1500μFが4本パラレルです。
(古いものも使用しています)






中央の基板は
ドライブ段用の
3段カスケード定電圧電源です。
±140Vを±90Vまで下げます。
これも古い部品を使用して再度組み立てています。


中央下の基板は
保護回路です。
これは新しく設計・製作しました。

1.
スピーカー出力の±DC約1V漏れの検出
2.
±終段定電圧電源の過電流の検出(8A×5=40A)
3.
以上を検出して
終段定電圧電源電圧の即時降下、
スピーカーリレーの切り離し、
入力リレーの短絡
4.
電源ON後、約10秒後に
スピーカーと入力の接続
(保護回路LEDの消灯)
以上を行います。

電源用リレーとスピーカー接続リレーは
オムロンのLY4(250V10A×4)で、
電源用リレーはAC100V仕様、
スピーカー接続リレーはDC24V仕様です。


電源回路保護の遅延投入用のオムロンのタイムリレーも設置しています。



やっと保護回路が完成したので、
安心してドライブ回路の製作が出来ます。
ミスや発振をしても安心ですね。

今までの基板を改造するか
新たに作り直すか思案中です。






2012年5月24日

結局ドライブ基板は新たに製作しました。
ドライブ基板はペアーを取っている部品を使用しながら
ヒートシンクはアースラインに接続しました。
取り外しチェックのし易いように各部にコネクタを多用しました。

Ftが200MHz以上のトランジスタを選別してペアーを取ったものを使用しながら
結果として安定度が高くなったため
余分な補正Cを省く事が出来た事により
高域特性が今までより更に伸びました。






上のヒートシンクは2段カスケードの定電圧電源部

下のヒートシンクはパワーアンプの出力部


結果としてパワーアンプが3台入っています!




裏蓋はステンレス製です。




アイドリング電流は1石70mA×5個と、
パワートランジスタをドライブするパワーMOS−FETが50mA
出力電源段に約63mAを流すブリーダ抵抗が入っているので
合計450mA以上。
定電圧電源や保護回路に約70W消費するので
アイドリング時に約160W以上となります。

ヒートシンク上のメッシュは
以前は目の込んでいた物でしたが、
今回はステンレスの目の粗いものにしました。
これによりヒートシンクの温度はゆっくり触れる範囲です。


周波数特性は入力での制限も含めてDC〜1MHz−3db
ゲインも今まで通り26db(20倍)

ノイズは入力ショート・オープン共0.2mV
(5Hz−5MHz時)
(IHF−A補正値ではありません!)
DC漏れ ±20mV以内
これは
DCサーボ無しのDCアンプでの状態です。










先週末に今まで使用していた2台と今回のに切り替えましたが、

頻繁にアンプを作業台へと乗せたり降ろしたりしていたため
ついに股関節を痛めてしまいました。
(約30Kg×2台)

尚悪い事に抑えていた風邪もぶりかえして引いてしまって
1週間以上寝たり起きたりで大変です。



音質は今までと似ているように思いましたが、
時間を掛けて聞くようになると

今までよりアンプの音色は同じでも音の立ち上がり下がりがより速くなり、
今までは音源により中低音のコントロールの甘さを感じましたが
今回は全くその感じはなく
今月3日4日に録音した日本打楽器協会の新人演奏会の
生録のパーカッション音源でも音量を上げても
ただ音量が上がるだけに感じます。

より全体のノイズが減ったので
舞台や客席でのノイズや動きが鮮明に聞こえます。




打楽器演奏会で、
マリンバのソロでマレット4本のみで終始コラールの変奏曲を演奏されました。
この録音音源を聞いていて
オクターブを同時に叩く音が明快には聞こえません。

どうも2ウェイの限界かと思いましたが、
自作スピーカーボックスの横側よりスピーカー端子を出し、
そこにインピーダンス補正を付けています。

そこをフェルトで大雑把に覆ってみた処、
見事にオクターブを同時に叩く音が聞こえてきました。

アンプの精度や音源の精度が上がってくると
ちょっとした事でも問題になります。




2015/10/25

電源コンデンサーの増設








今までパワー段には約10万マイクロファラッドずつプラスマイナス電源に入っていましたが、
外部に増設コンデンサー用シャーシを取り付けて
100V15000マイクロファラッドのコンデンサーを10本ずつ合計20本、
合計25万マイクロファラッドがプラスマイナス電源に取り付けました。

ドライブ段には6000マイクロファラッドが入っていましたが、
これに2万マイクロファラッドを増設しました。
合計26000マイクロファラッドずつとなりました。









パワーアンプ本体に取り付けた状態です。



音質の変化としては、
中低域の音が厚くなり、
速いパッセージの音の分解能が向上しました。



2022/08/06

やっと自作モノラルパワーアンプに、「増設電源コンデンサー」を接続しました
2015年に「追加電源コンデンサー」を接続して7年が経過しました。

    その時は、パワーアンプ本体部の分も含めて25万マイクロファラッドずつでした。
他の方々に「追加電源コンデンサー」を製作・接続して音の効果を認識して頂いておりましたが、
30万ー50万マイクロファラッドと容量が増えていって、

      「定電圧電源のパワーアンプ」
においては
電源コンデンサーの容量が大きい程、
音が静かでダイナミックレンジが広くなる事を確認しました。

       特にローレベルの音を綺麗に表現します。
            そこで、次の増設のために溜めていた電解コンデンサーをケースに入れて増設をしました
                                                     

                      




画像を見て頂くと判りますが、
「増設電源コンデンサー」のケースが、
「追加電源コンデンサー」のケースより大きいです。


「増設電源コンデンサー」のパワー段の容量は、
13万マイクロファラッドが2本、
68,000マイクロファラッドが1本の
合計328,000マイクロファラッドです。

ドライブ段用は、
10000マイクロファラッドが2本で、

各プラスマイナスあります。

 

                                                                                                                                   

追記

ケースの空いたスペースに、電解コンデンサーを追加しました。