SoulNote dc1.0

18/08/30

友人からDACを貸して欲しいとの要望があったので、
ベリンガーSRC2496のチューン品を貸した処、

SRC2496チューン品の音を聴かれて
その友人ともう一人の方が一緒に当方にいらっしゃいました。

そのもう一人の方が
SoulNote dc1.0 D/Aコンバーターを持参され、
このD/Aコンバーターの音をもっと良くしたいとの事でした。

このD/Aコンバーターは2007年製で、
当時26万円もした高級機です。


この機器は44.1KHz16bit専用で、
入力信号をメモリバッファーに貯めて
クロックにて随時DACチップに送るという方式です。









中を空けた処、
300VAの大きいRコアトランスと、

メモリバッファー、
左右別のDACチップ(PCM1792×2)

ディスクリートのアナログ回路で
平衡増幅となっています。


アナログ回路の電源は、
1000マイクロファラッドの電解コンデンサーを10パラずつにしていて、
定電圧電源はありません。

DACチップのアナログ回路用電源は
2段カスケード定電圧電源ですが、
左右共通の設計になっています。







音質は
メモリバッファーにデータを蓄えた後にマスタークロックでDACチップに送る方式なので、
ジッターの少ないクリアーな音がします。

れとアナログ回路の電源がオペアンプ用の倍の電圧を使用しているので、
ゆったりした音です。

それとDACチップが24bitDACとしては一番ノイズ(ー126db)が少なく、
それを左右別に使用しているので、大変ノイズが少ないです。

但し、アナログ電源、DACチップのアナログ電源が左右共通のため、
音の広がりが狭く感じます。


それと、
パルシブではない市販のコンプレッサーのかかった音源なら分かり難いですが、
生録のティンパニィやバスドラが活躍する吹奏楽を鳴らすと、
音が消えた後におつりの音が聞こえます。

これは定電圧電源では無いので、大きい音で電源部が動いてしまい、
収縮するまでの音が聞こえます。





改造方法としては、

1.アナログ回路電源
アナログ回路電源は掛ける電圧は少々低下しますが、
左右別の定電圧電源とします。

2.DAC用アナログ回路電源
ここは4段カスケード定電圧電源とし、
途中から左右別の定電圧電源とします。

1.と2.により、
左右の電源部のクロストークが減り、
クロストークによる音の濁りが減少しました。





生録音源でヒアリングをしました。

ピアノのソロは音の粒立ちが良くなり綺麗な音になりましたが、
バッハのカンタータやヴァイオリン協奏曲を鳴らすと
意図したとおりの定位と遠近感が出ません。

そこで録音時に使用する
XLRの位相反転ケーブルで位相反転して聞いた処、
意図したとおりの定位と遠近感が
出るようになりました。


そこで内部の平衡出力回路の位相を反転しました。

これはSoulNoteの設計者がマランツ出身のため、
SA7もそうですが、
反転位相で出荷しています。

市販のクラシック他では
位相が反転した音源も多いのでこれで良いかも知れませんが、
正規の位相で録音された音源では
定位や遠近感が出ないですね。




基準再生装置のアンプやスピーカーも含めた位相管理がしっかりしていないと見逃す事かもしれませんね。


お客様からの感想です。

昨日届きました。
音の厚み、力強さはそのままで、
付帯音が減り、歪みも減りました。

エージング後が楽しみです。

ありがとうございました。