アンプの取り扱い方法
パワーアンプ(プリメインアンプ)は電力増幅機器なので
常に電源コンデンサーに大きなエネルギーを貯めていますし、
大容量の出力管あるいはパワートランジスター・パワーMOS−FETを用いて
スピーカーに電力を供給しています。
上記のように大容量の電力をコントロールしていますので
いい加減な扱いをしますと非常に危険です。
勿論不測な事態に備えて保護回路が働くようになっておりますが、
保護回路が働くような扱いをする事自体が良くありません。
以下にアンプの正しい扱い方を記述します。
1. まずアンプにスピーカーを接続し、ボリューム(音量調節部)を最小にします。
そしてAC電源に接続してアンプ電源をオンにし、
スピーカースイッチのある機器はオンにして
スピーカーからノイズや異音が出ているかどうかを確認します。
能率の高いスピーカー(93db/m以上)とノイズの大きいアンプを接続しますと
スピーカーからシャーという音やジーンという音がする時もあります。
2. 次にアンプの入力に
CDプレーヤーやDAT・DVDプレーヤー・アナログプレーヤー(Phono端子に接続)を接続します。
機器を接続して各機器に音源を入れずにボリュームを上げて
ブーンというハムやジーンというノイズが出るかどうかを確かめます。
但し、各機器を確かめる時に
必ずボリュウームを絞ってから切り替えて下さい。
ここでボリュームを上げたまま切り替えますと
大きな切り替えノイズが出ることがあり、アンプやスピーカーを痛めます。
3. 上記の確認後、各機器に音源を入れて確認をします。
4. 使用者がRCAケーブルやスピーカーケーブルを交換したりする時に
よくやられる危険な事があります。
音源を接続したままでボリュームを上げたまま
アンプのスイッチを切ってケーブル等を交換し、
再度アンプのスイッチを入れる方が多いです。
これはパワーアンプ(プリメインアンプ)にとって大変危険な事です。
なぜなら
電源スイッチがオンになっても大容量の電源コンデンサーには規定の電荷が溜まるまでには時間がかかります。
そして規定の状態になるには時間がかかりますので
アンプが不安定な状態に音源信号が入りますと
保護回路が働いたり
最悪パワートランジスタやパワーMOS−FETが壊れる事もありますので、
くれぐれも電源スイッチをオンにしたばかりの時には
音源信号を入れないようにボリュームを絞って下さい。
そしてもし
スピーカーケーブルがショート短絡していたり
スピーカー端子部分でショートしていますと
保護回路が働いたりフューズが飛んだり、
最悪は出力管やパワートランジスタ等が壊れることもあります。
とにかく色々な作業をされる時には必ずボリュームを絞って電源を落としてからにして下さい。
これは鉄則です。
この事は普通は取り扱い説明書に記述してあります。
5. 以上の状態にてアンプを壊す方が沢山おり、メーカーにクレームをつける方がおりますが
本来は使用者の扱いミスである事が多いです。
6.アンプを壊し易い音源にFMチューナーがあります。
FMチューナーは
選局時や離局の時に非常に危険な大きなノイズが出ます。
このノイズは大変広帯域で
高性能なプリアンプですと入力ボリュームを飛び越えてノイズがパワーアンプまで到達します。
このノイズにより帯域の広いパワーアンプは不安定になって部品が壊れたり
最悪パワートランジスタの破損やスピーカーのツイーターが焼き切れる事があります。
とにかくFMの選局時はアンプのボリュウムを十分絞っていただきたいです。
7. デモCDには時々危険なオーバービット録音がされている音源があります。
オーバービット録音は16ビットのフルビットをオーバーして録音された信号で、
この信号は普通CDプレーヤーやD/Aコンバーターのデジタルフィルターが機能しなくなり、
高い周波数のノイズが出ます。
高性能なプリアンプですとこの信号はパワーアンプまで送ってしまいますので
パワーアンプが不安定になる事があります。
これも不用意にボリュームを上げないように注意して頂きたいです。
8. プリメインアンプはいくら高級でも
車でいえばカローラやマークU、クラウンのように使用者が少々無茶な事をしても安全に出来ています。
9. 但し、プリアンプとパワーアンプが別れたセパレートアンプですと
車で言えばスポーツカーで、
使用者の意図の通りの性能を引き出せますが、
扱いを間違えるとスピーカーを壊したり上手くは鳴らなくなったりします。
車ですとスープラ、RX−7,Z(ゼット)、GT−R,ポルシェ、フェラーリでしょうか。
10. チャンネルデバイダーを使用したマルチアンプシステムですと専門的知識が入用ですが、
アキュフェーズ等のデジタルチャンデバを使用するとある程度まではグレードアップします。
但し、スピーカーに関しての相当の知識が無いと上手くは鳴りません。
このクラスになると車ですと市販改造車クラスやCカーです。
11.この上ですと専用のリスニングルームを作り、専用の低音スピーカーシステムを用いられたシステムがあります。
車ですとフォーミュラカーやF1・ホットロッドクラスですね。