UREIユニットを使用した
スピーカーシステム






浜名湖畔のライブハウス・PARADISO
にて


このUREIスピーカーユニット(
青いホーンの同軸スピーカーユニット)は
ライブでの使用中に
誤って大入力を入れたためにウーファーが2本共焼けて壊れていました。

ウーファーの状況から見てパワーアンプが壊れたために
DCが流れて壊れたように見受けられます。






ここでのスタンダードジャズクゥアルテットというバンドのライブ録音の時に修理の依頼を受けました。

このスピーカーシステムはオーナーが友人から譲り受けたもので、
スピーカーユニットはALTEC 「604−8H」のフェライトマグネット仕様がベースのUREIユニットです。
そのためウーファーとホーンドライバーの振動板位置の距離がアルニコマグネットのユニットより近いです。

エンクロージャーは「604−8H」用、
ネットワークはUREIではなく前の所有者の自作改造品(フォステクスの部品)でした。
オリジナルは資料によるとLFは4次のフィルター、HFは変形2次のフィルターになっていて、
クロスオーバー時の位相特性を整合させています。


ホーンドライバーの振動板は壊れておらず大丈夫でした。
修理はボイスコイルが焼き切れたウーファーコーン(604−8G用)を張替えました。

そしてネットワーク定数の合っていない自作ネットワークを
当方が測定してインピーダンス補正を行った後のインピーダンスを元に
クロスオーバー1.2KHzの2次のネットワークを新たに製作しました。


製作を完了して音出しをしてみた感想は、
ALTEC「604−8G」や「604−8H」よりホーンの設計が良いので
中高域の音が自然で引っかかる音がありません。
「604−8H」ベースのタンジェリンドライバーなので20KHzまでスムーズに高域が伸びています。
低域は軽いコーン紙なので反応の速い分解能の高い音がします。
クロスオーバー付近の音は中抜けも無くスムーズに繋がりました。






納品して鳴らした感想は、思っていた以上に音量があり、生とほぼ近い音量まで出せるようです。

それとジャズのCDを鳴らした場合録音にもよりますが、
ボーカルは前で歌いピアノやベース・ドラムはその後ろに定位します。


楽器が目の前に有るのでまるで目の前で演奏をしているようです。