テクニクス SB−M2 モニター
オーディオの足跡より
詳しい資料です。
skm氏より
SB−M2の改造を依頼されました。
改造箇所は
1.
バスレフを密閉箱にする
2.
3ウェイの各ユニットのインピーダンスを平坦にする。
3.
それに合わせたネットワークを箱の外部に出して製作をする。
4.
ウーファーとMID+Highを別のアンプで駆動させる
バイアンプ方式とする。
1.2.は始めからの仕様ですが、
3.4.は大変大掛かりになり、
面倒な作業です。
まずウーファーですが、
バスレフ動作時の最低共振周波数は30Hz(実測)でした。
密閉箱での最低共振周波数は46Hz(実測)で、
最低インピーダンスは7.1オームです。
MIDは
エンクロージャーに装備時の最低共振周波数は169Hzで、
最低インピーダンスは6.1オームです。
ツィーターは
最低共振周波数は1116Hzで、
最低インピーダンスは5.7オームです。
上の画像はノーマルのネットワークと
新たに使用するコイルと端子です。
今回使用するコイルとアッテネーター(100W用)です。
後からコイルを4個追加しました。
上の画像で、
上側の2個は
MID/High用の低域インピーダンス補正回路、
下側の2個は
Low用の密閉箱仕様の低域インピーダンス補正と
高域のリアクタンス補正
上の補正回路をエンクロージャーに装備した状態です。
各ユニットのインピーダンス補正回路は
エンクロージャーの中に装備しました。
MID/Highのリアクタンス補正は
ユニットの背面に取り付けています。
これにより各ユニットのインピーダンスは
DC−100KHzで
5−8オームの間となりました。
エンクロージャー背面のスピーカー端子です。
Low/Mid/High別々の入力端子です。
ローテル RB−880チューン仕様を2台使用してバイアンプで駆動中です。
SB−M2改造とRB−880チューン仕様を2台使用してのヒアリング・調整中です。
ソニーのテストCDを鳴らしたところ、
20Hzは聞き取れなかったですが、
31.5Hzは聞き取れました。
密閉箱にしたので低域が低下するので
31.5Hzが聞き取れるとは思っていませんでした。
よくここまで複雑なネットワークでなくても
チャンネルデバイダー+マルチアンプのが良いというアマチュアが沢山います。
スピーカーの動作に詳しく無い方でしたら手っ取り速いし
簡単にある程度の音は出せます。
但し、それ以上のクオリティの音は絶対出せません。
ムービングコイルスピーカーの動作の欠点を補正して
動作歪位相歪の少ない音を出すにはこれが一番良い方法でしょう。
特にクロスオーバー付近での音の繋がりは
各ユニットのクロスオーバー付近での周波数特性との兼ね合いで
ノーマルのネットワークや市販のチャンネルデバイダーでは
上手くは繋がりませんね。
市販のチャンネルデバイダーは
前提条件として
クロスオーバー付近での各ユニットの周波数特性が平坦で
かつ位相特性も平坦な場合を想定して作られています。
当方は沢山の市販スピーカーのネットワークをチューンしているのと、
当方が現場の音を知っている色々なジャンルの生禄音源があるので、
空間の響きや楽器の音色、音の出方や距離感の出方を
聴きながら調整をします。
このような事が前提となってこの複雑なネットワークとなりました。
但し、部品は画像をご覧になると分かりますが、
リアクタンス容量の大きいコイルはコア入りコイル、
容量の小さいコイルは銅箔空芯コイルと
吟味しています。