デジタル機器のチューニング
始めに
最近はCD規格の44.1KHz16bitだけではなく、
ハイレゾ音源の
48KHz〜192KHz,
あるいは384KHzという
高いサンプリング周波数の
24bit音源が出ています。
それとSACD規格のDSD 2.8MHzや、
5.6MHzや11.2MHzのDSD音源も出ています。
CDの理論的最大ダイナミックレンジは16ビットなので98db、
24ビットでは144db、
32ビットでは約160db
となります。
尚、
アナログ回路の部品のノイズによる
理論上での限界ダイナミックレンジは128db!!
です。
1.
D/Aコンバーターの場合は
デジタル信号を、
普通は高域での急激な位相回転から逃げるために
デジタルフィルターにて8倍オーバーサンプリング後、
DACにてアナログ信号に変換します。
DACそのものは
1ビット・16ビット・18ビット・20ビット・24ビット、
最近は32ビット
と色々あります。
ビット数の多いDACの場合、
より滑らかな音になりますが、
入力信号そのものはCDやDATは16ビット、
ハイレゾ音源では24ビット
です。
その時アナログ基準電圧・電流を
の16ビット分の1の
1/(2^16)
65,536分の1
又は
1/(2^24)の
24ビット分の1
16,777,216分の1
に切って、入力データに従ってつなぎ合わせてアナログ回路に送ります。
ところがこのアナログ基準電圧は電流が変動したり外部での変動により一定ではありません!
普通のDAC用電源回路ですとこの
動的精度は約1/1000程度(10ビット精度)
です。
つまり
DACそのものは16〜24ビットの精度はあっても
基準電源が不正確のため
ほぼ10ビット程度の精度の音しか出ません
ので、
その欠けた分だけ細かいニュアンスや遠近感が出難くなります。
DACからのアナログデータを増幅するアナログ回路の電源部も、
市販の機器ではコストの関係で
当方が製作する定電圧電源と比較して軟弱です。
そのため編成の大きい音楽
(マーラーやブルックナー・ストラビンスキーのオーケストラ曲)
を鳴らすと混変調が起きて濁った音になり、
どの楽器がどのように演奏しているのかの判別が無理です。
3.
当方のオリジナル電源回路は
外部のAC100Vからのノイズや電圧変動を抑えながら
機器内部での動作による電圧変動も抑えます。
これにより基準電源精度をなるべく16ビット精度に近くして、
CDに入っている信号を変化させない様にします。
4.
マスタークロック交換について
マスタークロックの高精度クロックへの交換には
確実に入手が可能で安定した製品が入手出来る三田電波製を用いております。
これはアフターサービスを考慮した上での事です。
この高精度発振器は完全にシールドされていますので、
あえてフルシールド基板を用いなくても輻射ノイズは大変少ないです。
又、このクロック用の機器内部に設置するような別電源は用いません。
-----------------------------------------------------------------------------------
マスタークロックの低周波ジッターのデータが発表されています。
このデータを見ますと
当方が10年以上前から問題を提起している
電源回路の問題そのものですね。(笑)
三端子レギュレーターですと60db以下の外部変動除去しか出来ません。
そのデータそのものです。
ジッター対策も波形によるものと電源によるものの2種類があります。
-----------------------------------------------------------------------------------
2011/10/17
ある32ビットDACの別電源回路を製作して、当方のDACと比較試聴をしました。
比較音源は現場が判っている当方が録音したものです。
まず当方の24ビットDACは
録音した現場のマイクとの距離感や位置、ホールのサイズや楽器の音色,
特に吹奏楽のマーチの演奏の時の各楽器の音の出方まではっきり判別出来ます。
(そのように調整したので当たり前ですが)
次にDACチップ周辺の定数がオリジナルなままの電源部改造の32ビットDACです。
音が中央に寄ってその中央の音が前に出て来ました。
明らかに左右の信号のクロストークが大きいです!
そして滑らかな音がしますが、
楽器の荒々しさや
吹奏楽のマーチの演奏の時の各楽器の音の出方までの表情が出ません。
このDACの評をweb上で拝見すると全ての音源情報が出ていないとの評があります。
DACチップのデータシートと実装回路を見ますと
ほぼDACメーカーの定数を踏襲していました。
残念ながらDACメーカーは自身で録音した音源ではなく、測定データ?にて決めた定数なので
当方が録音した通りの距離感・空間・楽器の音色・音の出方になっていません。
また各アナログ回路の電源部分も問題があります。
そこで当方のDACに施した定数と周辺回路に変更し、アナログICも変更した処、
ほぼ同じ表現が出来るようになりました。
ここまでするとさすがに最新の32ビットDACです。
24ビットDACと比較してより細かな表現になり、
ノイズが少なくなってローレベルの音がより鮮明です。
但し、吹奏楽や雅楽での音のハモリが出にくいので仕様を調べた処、
入力デジタル信号をDACに入る前に
全て192KHzにアップサンプリング
していました。
こうすると録音時のサンプリング周波数(当方では48KHz)では
ハモる音も分離して聞こえてしまいますし、
パーカッションの音のエネルギーが出なくなります。
市販音源では元の音の出方を知らないのでこれでも良いでしょうが、
録音音源のモニターには使えません。
チューニングを行った機器です。
1.CDプレーヤー
2.D/Aコンバーター
18/08/30
3.CDトランスポート
4.DVDプレーヤー
5.SACDプレーヤー
6.USB DDC
7.USB DAC